暑熱ストレス管理 〜酪農場の冷却についてのホットな話題
夏は乳牛にとっても暑い季節です。そのため暑熱ストレス管理は牛群の管理の中で最も重要です。
乳牛の暑熱ストレスの兆候には何があるでしょうか？
- 体温の上昇
- 呼吸速度の上昇
- 産乳量の低下
- 採餌量や水分摂取量の減少
- 反芻行動の減少
今年の夏は記録的な暑さでした。イスラエルの農場にとっても、この温度上昇は大きな試練となりました。気候変動による平均気温の上昇は反芻動物に暑熱ストレスを与えて産乳量の減少をもたらしました。イスラエルの農場でどれ程の暑熱の影響があるかは家畜の種類によって大きく異なります。ヤギは最も順応性のある反芻動物で、そのため気温上昇による生産量減少の影響を最も受けにくい家畜です。一方、乳牛は大きな影響を受けます。アメリカにおけるミルク生産量に関する最新の研究によると、21世紀の末までに乳牛一頭当たりのミルク産乳量は気温上昇によって6.3%1減少すると予測されています。イスラエルの農場でも同様の変化が現れると思われます。
Cooling the Dairy Farm
この気候変動のため、暑熱ストレスを受けやすい状況下でも高い産乳量を維持して行く農場管理技術を習得していくことの重要性が増しています。イスラエルの農場では家畜の暑熱ストレスを減らすことができる有効な方法が幾つかあります。最も費用対効果の高い方法の一つが適切に取り付けられた遮光施設です。極端な暑さに対しては、ファン、散水スプリンクラー、換気システムなどの冷却システムへの投資を酪農家が望むことがあります。しかし、これらの方法は費用が掛かります。冷却システムにはエネルギー費用がかかりますし家畜の摂食習慣にも影響を与えます。皆さんのご自分の農場の最適な冷却方法を決定する際には、これらの必要経費を考慮することも大切です。
イスラエル デイリースクールでは、どうしたら暑熱ストレスを軽減できるかという農場トレーニングを提案します。このトレーニングでは、皆さんの農場の産乳量を高く維持したまま最小の費用で暑熱ストレスを軽減するシステム設計のお手伝いをします。最適なシステムを考慮するには、農場規模、皆さんの牛群の統計資料、農場のレイアウト、畜舎の構造のタイプ、活用できそうな立地上の利点、皆さんの農場の過去の生産資料などを勘案していきます。イスラエル デイリースクールでの専門トレーニングで、皆さんも最小のコストで産乳量を高く維持したまま夏の高温を管理できるようになるでしょう。
Yoram Bauman, Eric Salathé Jr., Guillaume Mauger, and Tamilee Nennich, “Impacts of Climate Change on Milk Production in the United States.”
